身代わり姫君の異世界恋綺譚
真白は紅の腕の中から下ろされる。
「紅さん、早く行きましょう!」
「……いいえ。ここで良いのです」
「え……?」
月明かりが紅の顔を映し出す。
そしてその横に人の形のした影が見えた。
その影は盛り上がりゆらりと揺れ真白の目に不気味に映った。
恐怖が遅い心臓が暴れる。
「!!!!」
そしてその影は紅よりも大きくなって行き、真白の目の前に立ちふさがった。
「ひっ!」
『おまえもこれまでぞよ。これで紫鬼様はわらわのもの』
その影から女性の声が聞こえてくる。
「あっ!」
その黒い影は一瞬美しい黒髪の女性に変わった。
そして再び黒い影に変わり……。
「い、いやっ! 紫鬼! 助けてっ!」
恐怖に首を振りながら後ずさるのもかまわず真白は大きな黒い影に覆われた。
「きゃーーーーーーーーーっ!」
黒い影に包み込まれた真白は何も見えなくなった。
「紅さん、早く行きましょう!」
「……いいえ。ここで良いのです」
「え……?」
月明かりが紅の顔を映し出す。
そしてその横に人の形のした影が見えた。
その影は盛り上がりゆらりと揺れ真白の目に不気味に映った。
恐怖が遅い心臓が暴れる。
「!!!!」
そしてその影は紅よりも大きくなって行き、真白の目の前に立ちふさがった。
「ひっ!」
『おまえもこれまでぞよ。これで紫鬼様はわらわのもの』
その影から女性の声が聞こえてくる。
「あっ!」
その黒い影は一瞬美しい黒髪の女性に変わった。
そして再び黒い影に変わり……。
「い、いやっ! 紫鬼! 助けてっ!」
恐怖に首を振りながら後ずさるのもかまわず真白は大きな黒い影に覆われた。
「きゃーーーーーーーーーっ!」
黒い影に包み込まれた真白は何も見えなくなった。