身代わり姫君の異世界恋綺譚
真白の身体がガタガタと震えはじめる。

「真白、落ち着け」

横たわる身体を紫鬼は抱き上げると、膝に乗せて抱きしめる。

それでも震えは止まらない。

「わ、私……どうなっちゃ……うの……」

瞳からポロポロと涙が溢れ出て薄い着物を濡らす。

そんな姿を見て清雅はたまらなかった。

真白に対して申し訳ないと言う気持ちと憤りで清雅はいたたまれなくなり部屋を出た。

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