身代わり姫君の異世界恋綺譚
力の入れることの出来ない身体を強く紫鬼は抱きしめる。

「必ずお前を助ける」

今は解決策はない。

真白を安心させたいが為に紫鬼は言っていた。

「私の中に清蘭さんがいる……」

自分の身体ではない感覚。

自分の意識が無くなってしまいそうな恐怖感。

「お前を助ける為にはまだ清蘭を祓う事は出来ない。今は我慢してくれ」

熱い額にひんやりした唇が触れた。

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