身代わり姫君の異世界恋綺譚
◇◆◇

真白は疲れきって眠った。

そして見守っていた清雅も部屋の隅で丸くなり眠ってしまった。

真白の寝顔を見て堪えることの出来ない怒りが湧き上がる。

両手の拳をギュッと握り締め紫鬼は耐えるようにうつむいた。




清文は自室から出ると、縁側に立った。

立つと着物はすぐにびしょ濡れになる。

外は嵐。

樹木は風に激しく横揺れる。

雷も酷くどこかへ落ちやしないかと心配になる。

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