身代わり姫君の異世界恋綺譚
――清蘭の力がこれ以上大きくならないうちに消滅させなければならない。

真白を殺さねばならないと思うと、胸が引き裂かれそうなほど痛む。

真白の命が風前の灯だという事は分かっている。

しかし、自分の手でくだすのは気が狂いそうなほど辛い。

愛しい娘を手放したくはなかった。

しかし、私の想いが真白を辛い目にあわせている……。

――真白、お前を助けることが出来ない……すまない……。

たった1人を助けることも出来ずに紫鬼は憤りを感じていた。

紫鬼は自分の手で真白を逝かせようと決めた。

真白の身体に清蘭を封じ込めて、殺さなければならない。

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