身代わり姫君の異世界恋綺譚
「真白の身体を清蘭が自由にするまでに殺さなければならない。そうでないと京ばかりか、他の場所まで怨霊たちに支配されるであろう」

「娘にそのような力があったとは……」

重大なことを起こしているのは自分の娘だ。

清文は清蘭を殺して自分も自害したいくらいだった。

清文はハッとした。

「紫鬼殿。今何と言ったか?」

「真白を殺すと言ったのだ」

紫鬼の表情は変わらずに悲しげだったが言葉は凛として響いた。

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