身代わり姫君の異世界恋綺譚
清雅は紫鬼と父が何を話したのか気になっていた。

「いったい何の話だったのじゃろうか……」

夜どうし起きている清雅は睡魔に襲われながらも考えようとしていた。

だが、疲れきった身体は睡眠を欲した。

そしていつの間にか眠りに落ちていた。

紫鬼は真白の部屋にいた。

茶色の髪をゆっくり撫でる。

――すまない。私の決断を許してくれ……真白。

こんなにも身が引き裂かれるような気持ちは今まで生きていた中で初めてだった。

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