身代わり姫君の異世界恋綺譚
「姉ちゃん、無事で良かったよ 心配したんだぜ」

半年振りに見る弟 裕樹(ゆうき)を見て真白は目が大きくなった。

小学6年生だが大きい方で、真白と並ぶと背はあまり変わらなくなっていたのだ。

「裕樹っ!」

嬉しくて思わず抱きつく。

「やめろよ、姉ちゃんっ」

無理矢理引きはがされて真白は不機嫌そうに弟を見る。

「なによっ!冷たいんだからっ」

頬をぷくっと膨らませた真白に裕樹は舌を突き出す。

「兄弟げんかはやめなさい。裕樹、お姉ちゃんは病み上がりなんだからね?真白、早く部屋に行って休みなさい」

「は~い」

母に言われ真白は2階の自分の部屋に行った。

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