身代わり姫君の異世界恋綺譚
1人になると半年間のことが思い出せず不安になる。

――私はどこにいたの?

自分が塾の帰り道にいなくなってから、あちこち捜索をしたがまったく分からなかったと言う。

まるで神隠しにあったみたいだと。

――見つかった場所がお寺の庭……。

その場所を聞くと、一度も行ったことのない場所だった。

私はいったい半年間……何をしていたの?

「っう……」

胸の痛みに思わず手で押さえる。

半年間のことを考えると胸がズキンと痛む。

検査をしてもどこも悪くないのだと太鼓判を押されたにもかかわらず痛い。

< 331 / 351 >

この作品をシェア

pagetop