身代わり姫君の異世界恋綺譚
◇◆◇

「真白、しっかり食べなさいね。すっかり痩せちゃって骨と皮だけに見えるわよ?」

母親が小皿におかずをたくさん乗せて真白に手渡す。

テーブルの上にはご馳走が並んでいる。

そして大きなホール型のケーキも。

半年前より7キロも体重が落ちており、去年の夏服がぶかぶかになっていた。

母親は食べなさいと勧めるが、胃が小さくなってしまっていてすぐにお腹一杯になってしまう。

「真白、本当に何も覚えていないのか? もしかして犯人をかばっているのか?」

父親が注意深げに聞くが、その言葉に真白は苛立った。

「パパ、なんで信じてくれないのっ!? 本当なの! 何も覚えていないっ!」

思わずイスから立ちあがってテーブルをバンと叩いてしまう。

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