身代わり姫君の異世界恋綺譚
真っ暗な中、真白はようやく塀に近づいた。
その塀がどの辺なのかもまったく分からないが、穴を探し、塀をペタペタと触って歩いた。
ふと、その時違うことに気づいた。
あの時、コンクリートの塀の穴に押し込まれたのに、ここの塀は木材で作られていることに。
「ない、無いよう……」
――でも、元の世界とここを繋ぐのは塀のはず。
真白は満月の明かりだけを頼りに諦めなかった。
「そこの女!」
塀をペタペタと触っていると、少し離れたところから呼ばれた。
――そこの女って、私……?
振り返ると、槍を真白に向けた男が3人立っていた。
清雅と紫鬼以外に、初めて見るここの住人。
向けられる槍の先端は月明かりでキラリと光っている。
――嘘、本物の槍?
男達の目は真剣そのもので、真白は身の危険を察した。
「私は怪しい者ではありませんっ!」
恐怖に背筋が凍りつく。
逃げればあの鋭い槍で一刺しされ、あっけなく死んでしまうだろう。
真白は男たちの言うとおり、おとなしく従うことにした。
その塀がどの辺なのかもまったく分からないが、穴を探し、塀をペタペタと触って歩いた。
ふと、その時違うことに気づいた。
あの時、コンクリートの塀の穴に押し込まれたのに、ここの塀は木材で作られていることに。
「ない、無いよう……」
――でも、元の世界とここを繋ぐのは塀のはず。
真白は満月の明かりだけを頼りに諦めなかった。
「そこの女!」
塀をペタペタと触っていると、少し離れたところから呼ばれた。
――そこの女って、私……?
振り返ると、槍を真白に向けた男が3人立っていた。
清雅と紫鬼以外に、初めて見るここの住人。
向けられる槍の先端は月明かりでキラリと光っている。
――嘘、本物の槍?
男達の目は真剣そのもので、真白は身の危険を察した。
「私は怪しい者ではありませんっ!」
恐怖に背筋が凍りつく。
逃げればあの鋭い槍で一刺しされ、あっけなく死んでしまうだろう。
真白は男たちの言うとおり、おとなしく従うことにした。