身代わり姫君の異世界恋綺譚
安らぎ
◇◆◇
真白はぐるっと屋敷の塀の周りを一周してみた。
外はかなり暑く、汗が垂れてくる。
手の甲で汗を拭きながら、再び歩き出す。
見る限りでは穴が開いている場所はない。
二周目は手でくまなく掌を這わせながら歩く。
丁寧に手で確かめているからなかなか先へ進まない。
穴はまったくなかった。
「ない! 穴がないっ! 穴がないよぅ……」
どうしても穴を見つけようと、叩くように確かめる掌は傷つき始めていた。
掌も痛いが心も痛い。
真白の心に絶望感が襲ってきて嗚咽を漏らした。
塀を背にして、ガクッとその場に座りこみ膝の間に顔を入れる。
袴は涙で濡れた。
「真白、何を泣いている?」
1人だと思っていた真白は突然声をかけられて顔を上げた。
真白はぐるっと屋敷の塀の周りを一周してみた。
外はかなり暑く、汗が垂れてくる。
手の甲で汗を拭きながら、再び歩き出す。
見る限りでは穴が開いている場所はない。
二周目は手でくまなく掌を這わせながら歩く。
丁寧に手で確かめているからなかなか先へ進まない。
穴はまったくなかった。
「ない! 穴がないっ! 穴がないよぅ……」
どうしても穴を見つけようと、叩くように確かめる掌は傷つき始めていた。
掌も痛いが心も痛い。
真白の心に絶望感が襲ってきて嗚咽を漏らした。
塀を背にして、ガクッとその場に座りこみ膝の間に顔を入れる。
袴は涙で濡れた。
「真白、何を泣いている?」
1人だと思っていた真白は突然声をかけられて顔を上げた。