身代わり姫君の異世界恋綺譚
「なぜ男児の格好をしている?」
紫鬼が不機嫌そうに言う。
「だって……この方が動きやすいから。清文様に頼んだの」
「……着物は仕方ないとして……この髪は気に入らぬな」
紫鬼の手が真白の髪に伸びると、髪を結んでいた紐が解かれた。
「あっ……」
さらっと肩に明るい茶色の髪が落ちる。
「紫鬼っ。駄目だよっ」
紫鬼の手から紐を奪うと、急いで髪の毛を結ぼうとする。
その腕を紫鬼の手が止める。
「どうしてだ?」
「……皆が……この髪を……」
「私は好きだ。この明るい色は豊穣の麦の色だ」
紫鬼の手が真白の髪をゆっくり梳いていく。
紫鬼が不機嫌そうに言う。
「だって……この方が動きやすいから。清文様に頼んだの」
「……着物は仕方ないとして……この髪は気に入らぬな」
紫鬼の手が真白の髪に伸びると、髪を結んでいた紐が解かれた。
「あっ……」
さらっと肩に明るい茶色の髪が落ちる。
「紫鬼っ。駄目だよっ」
紫鬼の手から紐を奪うと、急いで髪の毛を結ぼうとする。
その腕を紫鬼の手が止める。
「どうしてだ?」
「……皆が……この髪を……」
「私は好きだ。この明るい色は豊穣の麦の色だ」
紫鬼の手が真白の髪をゆっくり梳いていく。