身代わり姫君の異世界恋綺譚
「お前は清文殿に認められて、ここにいるのだ。そんなことでは女房に軽く思われるぞ?」

「紫鬼……」

真白は戸惑っていた。

――紫鬼の言うとおりにした方がいいのかな……? でも、桔梗さんのお仕事を減らしたいから、自分で出来る事は自分でやらなければと思う。

「清雅が来る」

そう言ってから数10秒後、清雅がやって来た。

――やっぱり人じゃないのかな。清雅が来ることを分かっちゃうなんて……。

「真白っ、治ったみたいだな」

真白の顔を見て清雅が珍しく笑みを見せながら言う。

「あ、うん。心配かけてごめんね」

「心配などしていないぞ。紫鬼が側についているのだからな」

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