身代わり姫君の異世界恋綺譚
異世界
ガサッ!
雑草を踏む音が聞こえ、真白はビクッと身体を震わせた。
音がした方へ目を凝らしてみる。
『実長(さねなが)わらわの身体が戻ってきた。あの娘を捕まえよ』
聞こえてきたのは歌うような女性の声。
――わらわ?
女性の声が聞こえたのだが、姿は見えず、真白の前に現れたのは「源氏物語」に出てくるような衣装を着た男だった。
「仮装大会……?」
さっきの少年じゃない事に安堵したが、初めて見る姿に真白は小首をかしげた。
「――様の贄(にえ)」
「にえ?」
真白は何を言われたのか分からずに、繰り返していた。
甘い香の匂いが強く鼻につき、頭がクラクラしてくる。
雑草を踏む音が聞こえ、真白はビクッと身体を震わせた。
音がした方へ目を凝らしてみる。
『実長(さねなが)わらわの身体が戻ってきた。あの娘を捕まえよ』
聞こえてきたのは歌うような女性の声。
――わらわ?
女性の声が聞こえたのだが、姿は見えず、真白の前に現れたのは「源氏物語」に出てくるような衣装を着た男だった。
「仮装大会……?」
さっきの少年じゃない事に安堵したが、初めて見る姿に真白は小首をかしげた。
「――様の贄(にえ)」
「にえ?」
真白は何を言われたのか分からずに、繰り返していた。
甘い香の匂いが強く鼻につき、頭がクラクラしてくる。