身代わり姫君の異世界恋綺譚
「まあ!なんと言う口の聞き方!」

2人の女房は憤慨している。

「それに私は鬼じゃありません! 21世紀じゃ当たり前の姿なんですっ!」

売り言葉に買い言葉ではないが、真白はカッとなって言い返していた。

「何を言っているの? この娘 早く出て行きなさい!」

冷たい視線が痛くて唇を噛むと、真白は部屋を飛び出した。


無我夢中で庭を通り、真白は表門まで来てしまった。

外はもう夕暮れ。

門の外を覗くと、通りには誰も歩いていない。

衝動的に真白は門の外へ飛び出した。

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