身代わり姫君の異世界恋綺譚
「しっかり食べるんじゃ。真白」

清雅がまるで父親のように言う。

「清雅……っ。……あは……うっ……」

その言葉がおかしいし、父親を思い出して泣き笑いのようになってしまった。

「真白っ! どうしたのだ?」

泣きながら、笑ってもいる真白に清雅が慌てた。

「清雅ったら……小さいのにパパみたいなんだもん」

「パパとはなんだ?」

「お父さん……こっちだと……父上かな」

「真白の父君か……まあ、それでも良いわ」

清雅がおどけ、励ましてくれているのがわかり、真白は頑張って食べようという気持ちになった。

< 99 / 351 >

この作品をシェア

pagetop