ルイ~涙~
いつもの優しい顔とは全く違った、真顔で深刻そうな先生の顔が、そこには見えた。
先生は多分、一番あたしのことを分かってくれている。
ママやパパと違って、“あたし”の事を。
ちゃんと、考えてくれているんだ。
先生だったらあたし、信頼できるよ。
そう思ったあたしは、溜まってたものを全部、吐き出した。
先生にぶつけた。
「……っ、何でっ!?どうして誰もあたしを分かってくれないのっ……!?」
「……うん」
「あたしはっ、宝石とかキラキラした高いものとか……っ、そんなの望んでないのにっ……!ママもパパもおばあちゃんも、いつもそんなことばっかで……っ!」
「……うん」
「ただあたしに同情して……っ!もうっ、やなの……にいっ!」
「……うん」
「誰もあたしを分かってくれないっ……!誰も分かろうとしてくれないっ!」
「……うん」
先生は、ただ「うん」と言いながら頷いているだけだった。
それだけでも……すごく、気持ちが楽になれた。
初めて、人にこんなにあたしのことを話した。
今まで、信頼できる人なんていなかったから。