ルイ~涙~
微妙な空気の中。
あまりにも気になってきて、すんなり聞いてみた。
「内山先生」
「ん」
「あたしに何か、話あるの?」
そう聞いた瞬間。
先生の顔が、ハッとしたのが分かった。
大きなぱっちりした目が、余計に大きく見開いていた。
それと同時に、綺麗な形の唇までもが、開いてしまっていた。
いかにも…“ヤバイっ!バレたっ!”みたいな。
まるで、イタズラが親にバレてしまった小学生のよう。
先生の驚き方は、異常だ。
普通の人間の驚き方じゃない。
驚きを隠せないタイプなのかもしれない。
でもそこに、内山先生が素直だってことが出てると思うけどね。
「あ……何で分かったんだ」
「ずっと先生の患者だし。もう、大事な話の時に黙るなんて癖、お見通しだよ」
「……そか」
「んで……何?」