ルイ~涙~
「まったく。可愛げがねぇんだから」
「別に可愛くないからいいですよーだ」
「初めて会ったとき“メイクするから出てって!”とか言ってたくせに?」
「……意地悪」
「今更(笑)?」
「……」
そんな小さな言い合いをしながら、圭伍くんは、持ってきた花を生けてくれた。
でも圭伍くん、本当に毎日来てくれる。
それに、結構長い時間ここでお喋りしてくれるの。
毎日…何してるんだろう。
こんなにあたしのことで時間割いちゃってていいのかな……。
背中を向けて花瓶に花を生けている圭伍くんに、すんなりと聞いたみた。
「…ねぇ圭伍くん」
「ん」
「何で毎日来てくれるの…?あたし…迷惑じゃない?」
毎日来てもらってる相手に、毎日のように毒を吐いてるあたしって…本当、どうかと思うよね…。
本当は、“最低”とか“最悪”とか、そんなんが言いたいんじゃないのに。
いつも、そんなマイナスな言葉ばっかり言ってしまう。
本当は……嬉しいのに。
“圭伍くんと喋れて楽しい”って。
“お見舞いに来てくれてありがとう”って。
言いたいのに――言えない。