ルイ~涙~




――――――

―――




すっかり忘れていたけど…内山先生と、こんな会話したことがあった。




圭伍くんの顔をもう一度よく見てみると……




「……っ!」





左の目の下…頬に、うっすら傷跡があるのに気づいた。




その部分をずっと見ていたら――


ぱっと見ると気づかない

でもうっすら、青黒い。






もしかして……。





「……気付いた?」


「あ……」






「治りかけだけど――そう。俺のこの顔の傷。これに、関係がある」






痛そう……。


顔を骨折するなんて、相当なことがない限りありえない。



どうして……。






嫌な想像が、頭の中を駆け巡る。




怖い。怖い。

圭伍くんの、今までの生きてきた道。



聞きたくない。なんて言ってあげられるか分からない。





でも―――。










「圭伍くん……お願い。聞かせて」







あたしは、聞かなきゃいけない。


助けてもらったから。







「……うん」






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