ルイ~涙~






違和感。



目の下にある骨が、いつもと何か違う。







「これから成績上がらなかったら……圭伍、お前を本気で殺すからな」








そう言い残して、さっさと家を出て行った親父。






さっきからホント、何言ってんの?


俺はもう、とっくの昔に親父とお袋に殺されてるんだけど。




俺の心はもう、とっくの昔に死んでるんだけど。








―――その前に。



多分俺の頬付近の骨……折れてる。




さっきの親父の一発で。





“バキッ”って鳴った。


絶対に折れた音。







「……ははっ」







……さっきまで面白かったテレビのお笑い番組の声も、今はもう聞こえない。



親父の登場で、何もかもが一瞬で崩れた。








< 42 / 165 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop