ルイ~涙~
涙も出てこない。
悲しいなんて気持ち、もうとっくの昔に忘れてしまった。
「あはははっ……」
今はもう、笑いしか出てこない。
一人残された、いつもの家のリビング。
いつも一人でくつろいでいる時と違っていることは……カーペットに、赤い斑点がたれたことぐらいだ。
もう慣れてる。
俺はもう、とっくに慣れてる。
血なんて当たり前。
殴られるなんて当たり前。
機嫌の悪い日は、殴られたって当たり前。
人間じゃない俺なんて、親父のストレス発散用品の殴る道具。
「あははは……痛ぇ……」
病院に行こうか。
行ったほうがいいのか。
それすらももうわからなくなってる。