他人の彼氏
「そんなツラして言われると
さすがの俺も
つれぇじゃんよ?」


苦笑いを浮かべながら
私の前に座り込むように
顔を見ながら



「何があったか言ってみ?」


そう、私の頭の上に
手を乗せ


優しそうに見つめる姿に


張り詰めていた糸が

一気に途切れ


涙が一気に
頬を流れ

ポタポタと洋服へ落ちてしまっている。



途切れ途切れになりながら、


私は、

昨夜あった出来事を・・・


黒崎伸治の彼女が来て

自らアパートを出た途端

男達に絡まれ、警察沙汰になってしまった事など

すべてを

泣きながらも

ゆっくりと話した。 
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