他人の彼氏
「ほら、乗れよ?」


「あ、はい・・・」


車に乗ると

ツンと鼻にくるような

きつい香水の匂いが立ち込めている。


エンジンをかけると


室内でも何を話してるのか分からないほどの爆音に


このような車が

公道を走っていいものなのかと

真剣に考えてしまってる自分もいる。



そんな車で走る事、20分弱。


新しそうなアパート前の駐車場に車が止まり


「ここ」


そう一言言うと

後部座席から 私の荷物をすべて持ち

スタスタとエレーベーターに乗ると
3階へと上がって行くお兄さん。


そして、それを

必死で追いかける私。



玄関を入ると、

やはり、まだ新しいアパートのようで


新築の匂いが微かにする。


「上がらねぇの?」


「あ、はい・・失礼します・・」






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