他人の彼氏
その日の夕方、

玄関のチャイムが鳴り響いた。


出る?出ない?


1分くらいは迷ったけど

扉を ドンドンドンって叩きながら


「黒崎さーん、宅配便でーす」


そう叫ぶ人を無視できず


「お疲れ様です・・・」


なんて挨拶して
サインして受け取ってしまってる荷物。


黒崎伸治って言うんだ、あの人。


今更ながらに

ようやく 名前を知る事ができたけれど


「名前知っても
追い出されたら意味ないか・・」


なんて 独り言を言ってしまってる自分。
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