他人の彼氏
「暇だから、希の後ついていってみようかなと思ったんだけど、ダメ?」


何言ってんだ、こいつ。



「それは、ちょっと
困るかも・・・うん、困る・・」



「あーあ、振られた」


振られたのは私ですが。

もう、何か言うのも面倒臭いし・・・

ここは笑って済ます・・・。



「じゃあ・・・」


「また電話してもいい?」


「あー・・うん・・」


電話きてもとらなきゃいいわけだし。

ひとまず、社交辞令でも言っとかなきゃ
この場から抜け出せないし。


「分かった、じゃあ
またね」



ようやく、反対方向へ
足を向け帰って行ってくれた。


何ていうか・・・・


つとむって・・・

あんなに子供っぽかったっけ・・・


というか・・・


二股かけられてたとは言え

2年も付き合ってたのに

私は、どこを見ていたんだろう。

もしかしたら

本来の姿が今のつとむなのかもしれない。


なんて、考えてしまうけれど・・・


振られてしまった今

こうして、客観的に冷静に考えられるのは

やはり、黒崎伸治との出会いのおかげなんだと思う。

< 193 / 276 >

この作品をシェア

pagetop