他人の彼氏
事務所の前に車を
斜めに停めると、


「行くぞ」


そう言って、事務所へ入って行く。

追いかけるように
事務所へ入っていくと


「おはようございます」


そう言いながら
きれいな事務員さんが

カウンター越しに

笑顔で迎えてくれた。


けれど、

黒崎伸治の姿が見当たらない・・・。


広い事務所を見渡すけれど
見当たらず・・・


トイレなんだろうか・・・と

トイレの扉を見ているけれど
中を確かめるほど
私は度胸もなく
立ったままキョロキョロとしていると


「どうなされましたか?」


事務員さんが、私に
笑顔で用件を聞いてきた。


「あの、男性が・・・」


「はい・・・?」


やばい、何て言えばいいんだ。






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