他人の彼氏
あー、ダメだ。

考えすぎて
本気で頭おかしくなりそう。


人恋しくなる。


あー・・・ヤバイ。


・・・泣きそう。


もう、何で泣きそうなのか
分かんないし。


鼻の奥がツンとして
涙が出てきそうになっているのを
袖で押さえるように
机の上に顔を伏せた。


情緒不安定というやつなのか。


考えるよりも
涙が出るって
明らかにおかしい・・。




けれど・・・・・


ガチャンっ


という玄関の扉の音と同時に
廊下を大きく歩く音がし
顔を上げると、



「ったく・・・」


そう言いながら
私の横に
しゃがむように座る黒崎伸治の姿がある。


唖然とし
何も言えない私の頬に残る涙を拭うように
黒崎伸治の大きな手が伸びてきた。



「何かあったのか?」


首を必死で横に振りながらも
言葉が全然出てこない。
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