他人の彼氏

その音を聞きながら


「ほんと、昔から
怒り方が変わってないのよね」


呟くように
そう言うと、
大きくため息をつき


「番号変えよっかなぁ」


と、私の方を見上げている。


それは、まさに

私のせいもあるわけで・・・



「すいません・・・・」


「だーから、居候ちゃんのせいじゃないってば」


とは言ってくれるものの


視線が痛く突き刺さるのですが・・・


そして、いいタイミングで

玄関を開ける音が聞こえ


楓さんが目を光らせるように
部屋の扉が開くのを待っている。



・・・ガチャッ


「っ・・・楓・・！？」


よほど怖い目つきだったのか
黒崎伸治は、後ずさりをしてしまい
その場で固まり
私の方に目を向けている。