他人の彼氏
頷く私に
「そっか、そういえば
何の説明もしてなかったし
俺が悪かったわ。
ちょっと 服着るから
待ってて?」
そう言うと
ようやく 体を拭き始め
服を着てくれたけれど・・・
髪から 雫がポタポタと落ちるのは
気にならないのだろうか。
せっかく着た服も
肩の部分濡れてしまうような気がする。
「ごめんごめん、えーっと・・」
説明しようと座り込んでくれたけど・・
「あの・・・っ」
「ん?どうかした?」
「私のお願いを聞いていただけませんでしょうか?」
「何、いきなり?
料理作れませんとか?」
「いえ・・・ご、ごめんなさい!」
ガマンできず
近くにあったタオルを
黒崎伸治の肩に回しかけた。
「何!?」
驚き 唖然としている。
「肩に雫が・・・」
「は?・・・・・」
「服が濡れてしまうのではと・・」
「あー・・・はははは
なるほどね。
ようやく分かった。
ビックリしたじゃん。
まーでも、ありがと」
お礼を言われた・・・・
まさか そんな反応が返ってくるとは
予想外もいいとこだ。