他人の彼氏
やっぱり、何か
悪い人には思えない。
「えーっと・・・・
朝は
別に何時まででも寝てていいよ。
俺 勝手に起きて仕事行くし。
とりあえず、
洗濯、掃除、あとは・・
料理できる?」
得意ではないけれど
ずっと一人暮らししてたし・・
「一般的に・・・はい」
「良かった。じゃ、夜の食事。
そうそう、あとは
買い物も。
えーっと・・・・
財布出して」
「へ?財布?」
「そう、藤崎希さんの財布」
あんまりお金入ってないけど・・・
言われた通り 財布を出すと
「はい、これ。
ひとまず食費と雑費
まとめて渡しとくから
財布入れてて。」
「え?で、でも・・・」
突然差し出された現金に
思わず 両手で
押しのけるように返した。
「持っとかないと
買い物できないじゃん?」
それは・・そうなんだけど。
「私も半分出します・・・」
「は?」
「なので そんなにいりません」
「でも、お金ないんでしょ?」
その通りなんだけど・・・・
「仕事見つけるので・・・
大丈夫です」
「仕事見つけても
すぐは 給料もらえないじゃん?」
・・・・たしかにそうだ。