他人の彼氏

「すいません・・・・・
楓さんが出る時 鍵かけてもらえば
ありがたいのですが・・・」


「構わないけど・・・・
何かあったの?」


「出かけたいのですが
鍵を持っていない事に 
今気づきまして・・・」


「伸治から預かってないの?」


「はい・・・
というか忘れてました・・・」


「変な子ね~ ふふふ
私が鍵して帰るのはいいけど
居候ちゃんは どうやって中に入るの?」



そうだった・・・・。


鍵をかけたら 鍵で入らないと
扉は開かないじゃないか。


「だ、大丈夫です。」


黒崎伸治が帰ってくれば
全然 問題ないわけだし・・


「伸治のやつ 今日
帰り遅いんじゃない?」


だ、大丈夫。

帰りは遅くとも
一晩中帰ってこないわけではあるまい。


「大丈夫です・・・」


「うそうそ、まったく
そんな顔してたら
いじめたくなっちゃうじゃないの。
私 鍵2本持ってるから
1本あげる。はい、どうぞ」


そう言いながら

ブランドものの
キーケースから
鍵を1つ外し 私に差し出すと


「んじゃ、またね。
居候ちゃん。
気をつけて いってらっしゃい」


室内へと入って行った。
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