他人の彼氏
とっさに家を出たのはいいけれど、


携帯は持ってるのに
財布を置いてきて

靴を履かずに
スリッパ履いて出てきてる私って


明らかに動揺しすぎだろ・・・


取りに戻るのも・・・なぁ・・・


ちょっと時間潰して
帰ろうかな・・・


近くの公園の中に入り

ブランコに腰掛けると

ようやく少し冷静に戻れた。




何か・・・


黒崎伸治、男だった・・・

いや、男なのは分かってけど・・

あんまり意識してなかったせいか

体つきも しっかりしてて
力もあって・・・・


何か、良い香りして・・・


・・・・本格的にヤバい。


危険信号だ。

これ以上はダメだと
本能的に感じる。


黒崎伸治には
楓さんという彼女さんがいるわけで

私は、ただの居候で・・・・


居候で・・・・・


そうだ、居候。


お金払わなくちゃ・・・


お金払ったら

もう、私は・・・


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