他人の彼氏
雨は相変わらず止む気配すらなく

半濡れの状態で

座り込んだまま 

何時間経過しただろうか。


暗くて よく顔が見えないけれど


私の前に 仁王立ちして

じっと見ている男がいる・・・


前の私なら

すぐ逃げてたけど

今は もう・・・どうでもいい気分。


「何、あんた?」


そう男に問いかけると、



「お前こそ 人ん家の前で
何してんだよ?」




あぁ・・・ここの住人だったんだ。


「野宿とか・・・・」


この際 このまま
ここで夜を明かそうと思ってたし。


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