他人の彼氏
広いフローリングの部屋が1つに

壁を挟んで
奥の方にキッチンが見える。

いろんな物が 床に散らばっていて
どこに座っていいものか悩んだ結果

部屋の隅に腰をおろしながら

辺りを見渡した瞬間に
私の視界に飛び込んできたものは

女性ものの下着が
乱雑に置かれているという光景。

よくよく見渡してみると
鏡、化粧道具、服など
部屋に溢れかえっている。

まぁ、あの顔で
彼女いないってのが
おかしいし。

いいけどさ。別に。


「今 お湯ためてるから
風呂入れば?」


「あ、はい・・・・」


半濡れで寒い上に
中途半端に濡れてるせいか
変な匂いがするし・・・。



服を脱ぎ

お風呂に入ると

私の住んでたアパートとは比べ物にならないほど 掃除が行き届いていて
シャンプーとか別次元の匂いだ・・・



湯船に体を沈め


あー・・・神様のような人だ・・・。


なんて しみじみと
考えてる。


考えてる・・・


考えていた・・・・。

ほんの3分前までは。
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