かくれんぼ
彩佳の方を見ると、彩佳と目があった。
その瞬間ウインクをして彩佳は前を向いた。
私は彩佳のバカさに呆れていた。
そもそも 秘密の女☆ ってなに?アホだわ…
私は手紙を前の人に回した。
とりあえず、彩佳の言うとおり私も残ることにしよう。
メールを送った張本人を探さなきゃならないし。
でもなぜ彩佳は皆を残らせたがるのか…
こんなの嘘に決まってるし、そもそもあんなのただの都市伝説に決まってるし。
皆帰ってしまえば終わりなのに…
めんどくさいけれど、彩佳はきっえ帰ろうとする私を止めるだろうし…
やっぱりここに残るか…
キーンコーンカーンコーン…
考え事をしているうちに一時間目が終わった。
「次なんだっけー?」
彩佳がニヤニヤしながら私に尋ねる。
「理科だけどパソコン室でやるらしーよ」
「へー?♪」
「で。さっきの手紙なに?」
きっとニヤニヤしている理由はこれだろう。
なにが面白いのかわからないけど…
「あーっ!見た?!ふふ♪犯人探し!メールの送り主をね!面白いでしょ?そーゆーの!」
私は彩佳の軽いノリに付き合いきれないと思ったが、少し引っ掛かることがあった。
やはり、あの夢が気になる。
確かあの暗い場所は学校の廊下だった気がしたから。
もしも…
もしもだが。
私の思い違いかもしれないが。
本当にかくれんぼが始まったとして…
彩佳が死んでしまったら?
私はどうすればいいの?
夢が正夢ともおもえないけれど…
心配だった。
私にとって彩佳は大切な友達だったから。