かくれんぼ

「ふざけんな…なんだよこれ、意味わからねぇよ!誰かがイタズラでやってんじゃなかったのかよ!」


「優花、言ったでしょ皆死ぬんだって…彩もクラスの皆も…だからっ……もう…」

彩佳はうつむいてこの世の終わりのような顔をしている。

「ひどい………」

私も画像を見ていられなくなり、おもわず顔をそらす。

あまりにもショックな写真。
私達はこのメールのせいでなにもかも希望を失っていた。

「死にたくない…」

クラスの誰かがボソッと言う。

「逃げなきゃ」

その一言で皆は一斉に教室を走って出ていく。
「皆!待って!ダメだよ!バラバラになっちゃもっと危ないでしょ!!」

委員長の言う通り。
バラバラだと危険。
団体の方が安全だと思う。

「彩佳。他の学年の場所行こう?私だって死にたくないもん」

「外出たくないよぉ……」
「いいから!委員長も来て。人が沢山いる所に行こう。なるべく明るいところに」

「うん…」
――――――――――……
――………


「あ、あの教室は2年生じゃない?」
「本当だ!行ってみよう」
パタパタッ

ガラガラ…

「2年生大丈夫?!」
委員長が先陣をきって2年生に問いかけた。


「先輩!!」

頼もしいことに、2年生の教室にはほぼ全員が残っていた。

「優花……ここ、2年生のところ?」
「そうだよ。ここなら大丈夫だと思うし、明るいからね」
「うん…ごめんね、優花……彩なにもできなくてごめんね」

彩が俯いてか細い声で謝った。

彩が謝るなんて意外過ぎて私も少しびっくりしたけど、彩は本当はいい子だから。


「心配しないで、大丈夫だからね。」


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