かくれんぼ

「皆はメール見た?」
「見ましたよ!柿沼先輩ですよね?!あれ!」
「そうだよ…びっくりしちゃって」
「先輩達は何か知ってますか?」
「何もわかってないの…ごめんね」
「そうですか…」

教室はシンとしている。
あまりにもショック写真だったんだろう。
誰しもが希望を失っていた。

「先輩…」

【河島優美子】(カワシマユミコ)2年

声をかけてきたのは河島優美子という人物だった。
黒くて長いストレートな髪の毛で顔が隠れて見えない状態で、少し不気味な女の子だった。

「なに?」

「私、このかくれんぼのこと知ってますよ」

「え?」
「このかくれんぼ。私がメールしたんですよ」
「何言ってるの?どうゆう意味…」

「私は彼女と友達なんです。先輩たちも友達になれば…………………」

いきなり彼女は言葉を発しなくなった。
「何言ってるの?友達?教えて?ねぇ」

「………………………彼女は友達が欲しいんです。心から信頼できる友達が。だから先輩たちも友達になってあげてくださいよ。きっといい友達になれますよ。」

この子の言っている意味がわからない。
さっきから言っている彼女とはどういう意味?
鬼のこと?放送で流れたあの幼い女の子の声の主?
友達?


きちんと説明してくれない彼女に私はすこしイライラしていた。

「ひっ………」

すると隣にいた彩佳がいきなりおびえた声を発した。

「大丈夫?彩佳」
「来た」
すると河島という後輩がいきなり目を見開き声を発する。

「優花……おねがいだから教室の奥へ行って………早く」

彩佳は怯えた声で私を教室の奥へと押す

「ちょ、なに?なんなの?」
しぶしぶ彩佳と私と委員長は教室の奥の窓側へと移動した。

パチッパチッパチンッ…………プツッ

するといきなり教室の電気が消えた。

「ひゃっ!」
「なに?」
「停電?」
教室がざわめき出す。

「ひーとーり、ふーたーり。紐がナケレバ、縛れないー。首をとって指折って〜かーくれ人形集メテー…我ソコニ着かずと〜赤い毛鞠蹴りましょか〜」

「何歌ってるの?!こんな時に、優美子ちゃん!」
クラスの女子たちがまたざわめき出す。

「………………」


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