かくれんぼ

―――……
―――――………
8:30


ガラガラ…ッッ

「おはよ!」
「あーっっ!優花!おはよっ」

教室に入った瞬間彩佳が目の前に居た。
朝からよくこんなハイテンションでいれるなぁ…なんて思う。

「で、なんでみんなここに集まってんの?」

ドアの前で超邪魔なんだけど…

「えー?なんかさぁ、インターネットオカルトニュース欄で話題になってる、メールの話なんだけどさ~」

今朝美結が言っていたことと同じ。
そんなに話題の話なのだろうか?

「メールの内容は、ゲーム強制参加メールらしくて、“かくれんぼ”をするらしいの」

聞いてて呆れるくらい可笑しな話。
聞いて損したわ…

「中岡ってそーゆーの興味なさそうだよな~」
クラスのリーダー的存在。
【出席番号5番。柿沼大樹(カキヌマタイキ)】

「興味ってゆーか、本当にあるわけないじゃん?そんなの」

「まぁ、そう言やそうなるけどさ、そんなこと言ってたら楽しくねぇって~」

「ん?そう?」

私はどちらでも同じだけど。
何が楽しいのか…
なんて、心のなかでため息をついた。

「あ、先生来た~。戻ろ~」

彩佳の言葉でゾロゾロとそれぞれの席へ戻っていった。

「一時間目は数学でしたが…今回少し用事ができたため、自習とする!」

「やったぁぁ!」

クラス中が歓喜の声をあげた。
うるさい…でも。私も嬉しかったり…
別に真面目なわけでもないし
わざわざ進んで勉強なんてしないわよ。

「優花!しゃーべろ♪」

「彩佳も少しくらい勉強したらー?」
「彩は勉強しなくていーの!♪」

相変わらずのお気楽さに本当に心配になる。
仮にも受験生なのにね…

「あ、そんでさ!朝の話だけど~…」

ピリリリリリ…
タラタラリ~ン♪
ピルルルルルッ
メールが届いたよ~♪
ブーッブーッブーッ…

「え?」


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