かくれんぼ
「ふざけてる…」
なんなのこれ?
一体誰がこんなイタズラメールを?
こんなのバカがやること。
「なにこれ、オカルトニュースで話題になってたメールの内容とほぼ同じじゃん!」
「んだよこれよ~!クスクス」
「誰ー?送ったの~キャハハッ」
「んだよー!脅かすつもりで誰か今朝のメールを送ってンだろ~!誰だ~?」
皆冗談っぽく怒りながらも面白そうに笑っている。
それでも名乗り出るものはいない。
「てゆーかさ、金曜って…明日…だよね?」
3年1組代表委員長。
【出席番号1番。阿佐間 絵莉(アザマエリ)】
「そーだけど?なに?阿佐間サン怖いのぉ?クスクス」
彩佳が嫌味ったらしく顔を斜めにして聞く。
「ちっちがうの、これ聞いたことあったから…」
阿佐間さんは怯えたように答えた。
「どーゆーことぉ?」
「俺も聞きてぇ!てか、聞いたってことは、誰かが本当に体験したってことなのか?」
「う…うん。柿沼君の言うとおり体験した人がいてね、私のお母さんが小学校5年生くらいの頃…その時の中学2年生が全員死んだって…」
皆?
全員が死んだの?
いつの間にか私までその話に興味を持っていた。
「しかも、それはなぜか皆が同じ日に…」
「いつ?」
「き…金曜日の…放課後…」
阿佐間さんの小さくてか細い声が教室中に聞こえるほど教室はシンとしていた。
「それって…これと同じ……」
先程まで笑っていた彩佳も顔がひきつっていた。
「しかも、数人は死体があったらしいんだけど、何人かは…死体が無かったらしくて…しかも……その見つかった死体も…酷かったらしくて…」
「酷いって…どんな状態だったの?」
いつの間にか私まで質問していた。
なぜだろう…
ちゃんと聞かなければいけないような気がしたから。
「あ…心臓だけが…えぐりとられていたり……下半身が無かったり……一番酷かったのは……」
「グチャグチャに血や肉や臓器が飛び出ていたの。ありとあらゆるものが、外に…でてたらしいの。」