その男、小悪魔につき。【停滞中】
「い、一旦離れようか」
「いーの。このままで。それにしても飲み過ぎだよ?」
「ごめん……あ、もしかしてここまで運んでくれた?」
「うん。重かった」
「ごめん!本当にごめん!」
くるりと体を反転させて向き合う形になると、余計に千尋くんが近くに感じられた。
「ふふ、嘘だよ。軽すぎるくらい」
駄目だ。この距離はまずい。
「……シャワー!シャワー浴びてくるね」
そう言って起き上がろうとしたけど、そのまま手首を掴まれて……何故か千尋くんに押し倒されている。