その男、小悪魔につき。【停滞中】
その愛しい寝顔に触れようとしたけど、先ほどの女性が浮かんできて思わず伸ばしていた手を止めた。
どういう関係なんだろう……。
でも千尋くんの態度を見た限り、とても大切な人に見えた。
果たして私が聞いたら答えてくれるのだろうか?
それとも困ったように笑う?
もう、よくわかんないや……
再びベッドに寝転がって天井をあおぐ。
額に手をあてて目を瞑ると、反対の手をきゅっと握られた。
起きたのかと思って隣を見たが、そこには心なしかさっきより気持ち良さそうな寝顔の千尋くん。
「……私…」
好きだ。千尋くんの事が好き。
自然と心でそう思えてやっと自分の気持ちに確信が持てた。
好きだから、待ってるよ?
あなたが全部話してくれるまでね……