その男、小悪魔につき。【停滞中】
「えっ?じゃあタクシーに酔っぱらってる私を乗せたの?!しかも知らない男と一緒に?!」
「うん、そういう事。」
平然と食後のコーヒーを飲みながら答える真緒に軽く目眩を覚える。
「真緒、ひどい………」
「え~、だって彩月が無理矢理タクシー止めたんだよ?それに先客いたのに構わず乗り込んじゃったんだもん。」
「う、嘘でしょ……?」
「ほーんーとー。あっという間すぎて何も出来なかったわよ。それにしても先客のあの子、相当な可愛い顔してたわよねー?」
「……そう?」
「そっか、彩月は織田さんが……ってごめん!何言ってんだろ、私。」
「何で謝るの~、もう全然平気だよっ!」