その男、小悪魔につき。【停滞中】
「……あれ?そういえば真緒、今日15時からクライアントの所行くって言ってなかったっけ?」
「あっ!そうだった!やばい、資料まとめてない……あぁ~、ちょっと先行くわねっ!」
「はーい。」
取引先などへ行くときはヒールのない靴を履くのが真緒の中でのルールらしく、全速力で走っていった。
さすが、元陸上部なだけあって速い……。
本当に全速力で走る真緒の後ろ姿を見て思わず笑みが溢れる。
新しい恋、か……
あ、今日お茶菓子買って帰ろっと。
あんまり遅くなると店が閉まってしまうため、結局彩月も残業をなくすため足早に会社へ戻った。