その男、小悪魔につき。【停滞中】



「お腹減った……。」


あの後、全力で仕事に取りかかったがプレゼンが近いこともあり、定時になっても終わるはずはなかった。



まだ終わんない~、節電で暗くなってるし…。



薄暗いオフィスを見渡すと残っているのは彩月を除いてあと2人程だ。



いつもなら任されている仕事が多い真緒と、彩月は一緒に残業しているが、今日は外回りのあと直帰して戻ってこなかった。



もう21時じゃん……


そしてチラッと鞄の中のお弁当箱に目を向ける


食べようかな?お腹空いたし…。



今日一日ずっと思い出さないようにしていたが、もうお腹と背中がくっつきそうな程お腹が減ってしまった。


そしてお弁当箱を見て、つい完全に思い出した。



千尋くんの家、いつ行こう…。



それにしても素敵な部屋だったな……昼寝とかしたら気持ち良さそうな感じで……そういえばベッドもふかふかしてたなぁ……



じーっと、お腹に手をあてながら、お弁当箱を見つめていると、突然後ろから肩を叩かれた。

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