その男、小悪魔につき。【停滞中】
「わぁっ!すいません!考えてないです!何も考えてないです!」
「は?何言ってんの?」
えっ、と後ろを振り返ると、同期の寺井修平が紙袋を持って立っていた。
「なんだ~、寺井か。びっくりさせないでよ~。」
「なんだ、って何だよ!せっかく優男の俺が残業で可哀想~な蓮水に、俺のついでに弁当買ってきてやったのによっ」
そう言ってドカッと真緒の椅子に腰を落とす寺井。
「へ~、あんたにも気が利く所あったんだ……」
「あるわっ!全く俺のこと何だと思ってんだよ……」
「ん~、同期の人?」
「それだけかよっ!……ほい、これお前の!」