その男、小悪魔につき。【停滞中】
そう言って寺井は、そそくさとオフィスを出ていった。
「変なの……」
クスクスと笑い貰ったお弁当を開ける。
「しかもこれ、全然コンビニのじゃないし。」
彩り鮮やかなこのお弁当は会社の近くにある
ちょっと高めのお弁当屋さんのものだった。
寺井って優しいし、普通に格好いいのに何で彼女出来ないんだろ……。
いわゆる友達止まりタイプか……可哀想に。
うん、わかるよ……と共感しながら唐揚げを口に入れた。
「美味しい!」
どのお惣菜も美味しいのと、元々彩月は大食いのため、ものの10分ほどで完食した。
そしてまだお腹はいっぱいにならなかったので、結局千尋が作ってくれたお弁当も食べた。
サンドイッチだったため、摘まみながら仕事を始める。
「……ただのサンドイッチなのに、なんか美味しい。」