その男、小悪魔につき。【停滞中】
しまった。
お風呂に入ったのはいいが、下着やらがないではないか。
その事に気付いたのはバスタオルで体を拭いている時。
どうしよう……。
しかし脱衣場には恐らく千尋くんの部屋着と、きちんと女性の新しい下着が置いてあった。
「……これは……?」
どちらさんの?
少しモヤッとして、以前駅で会った女の子を思い出した。
あぁいう子が千尋くんにはたくさんいるのかもしれない。
下着を見つめて溜め息を吐くと、ドアをノックされた。
「彩月先輩大丈夫ですか?」
「あっ、うん。今行く!」
仕方なくそのままそれらを身に付け、リビングへ入った。
「あ、やっぱブカブカでしたね。」
「……うん。」