その男、小悪魔につき。【停滞中】


「あのさ、……」


やっぱり気になって曖昧に聞くと、千尋くんは冷蔵庫から水を取り出して私に渡した。


「どうぞ」


「あ、ありがとう」


どうしよう。

こんなこと聞いたらウザいかも……


中々言い出せないでいると、千尋くんは私の顔を覗き込んだ。


「……あー、もしかして下着のことですか?」


「えっと……」


図星をつかれ顔を赤くすると、頭の上にポンと手が置かれた。


「姉貴のです。」


「えっ、お姉さんの?」


「最近やたらと泊まりにくるんですよ。それ、新品だったから別に良いかなって」


いやいや新品だからまずいんじゃ……


でもその答えを聞いて安心する私。


「ねぇ彩月先輩。」


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